[N2] Lesson 5

客：「すみません。図書カードを作りたいんですが…。ここの地区の住民でなくても大丈夫ですか？」

受付：「大丈夫ですよ、お勤め先⁽¹⁾がこの地区でしたら問題ないです。何か会社の住所が書いてあるものをお持ちですか？」

客：「ええっと…。名刺⁽²⁾でいいですか？」

受付：「申し訳ありません、ルールをもとに、名刺はもとより、パンフレットなどは法的な証明にはならないので、認められていないんです…。社員証や健康保険証はありませんか？」

客：「公的なものですか…。僕、フリーランスなんで公的に証明する物が手元⁽³⁾にないんです。」

受付：「申し訳ございません。お手数ですが、在勤証明書を所属の機関で書いてもらって持ってきてからでないとカードが発行できません。」

客：「それは分かるんですが、会社に所属してないんです。要するに駄目なんですね！家は図書館から500mなんですが、地区が違うんです。急いで調べたいことがあったけど、諦(や)めます。私の地区の図書館は、バス停まで徒歩15分、バスに乗って10分かかるんです。ゆっくりしては居られない⁽⁴⁾ので、私の地区のところにある図書館に行きます。行く頃にはとっくに閉まっているかもしれないけど…。あぁ、うまくいきそうにないな。」

受付：「あの～⁽⁵⁾調べるだけでしたら、カードがなくても本を見ていただけますよ？レンタルする際には、カードの発行が必須ですが。」

客：「今からその本を探して仕事に取り掛かっても、どうせ途中で図書館が閉館の時間になると思うんです。閉館は何時ですか？」

受付：「午後7時です。」

客：「さすがに⁽⁶⁾今日の7時には終わりません。今日は徹夜する予定で、2日後には完成させて本社のところへ提出しなくてはいけないんです。まずは電話(でんわ)で確認するべきでした…。果たして仕事は終わるだろうか…。他の人はとっくに仕事を終わらせている…。」

受付：「それは大変ですね。しばらくお待ち頂けますか？上司に相談してきます。…お待たせしました。上司に聞いた結果、相談した甲斐があって、フリーランスの方で急ぎの案件があるということなので今回だけ特別に許可をもらえました。受付をするからには、お客さまに満足してほしいので…。したがって、ここにあなたが持っている運転免許証をもとに住所氏名連絡先の記入をお願いします。」

客：「ありがとうございます！非常に助かりました。」

横田：「平井くん、今度の送別会に先立ち、費用の3000円お願いします。」

平井：「送別会って誰の？」

横田：「経理の佳子(かこ)さんよ。結婚するんだって。お祝いの送別会。私も同じように結婚して寿退社⁽¹⁾したいな～。」

平井：「そんな子(こ)いたかな？話(はなし)をしたこともないよ、俺いつも横田さんしか見てない⁽²⁾から。」

横田：「なに冗談を言っているの、おかしい⁽³⁾んじゃない！」

平井：「嘘じゃないさ！本気だよ。僕と結婚して寿退社すればいいじゃないか！」

横田：「いつもみんなに冗談ばかり言っている平井くんとは結婚はないわ。絶対に！…まあ、たしかに私たちは未だに独身だけどね。」

平井：「俺は横田しか眼中にないよ。横田もやがて俺のことが好きになるさ。」

横田：「はいはい。私に限らず若い女の子(こ)にいつも声かけている⁽⁴⁾でしょ！そんなことより、まずお金をお願いします。」

平井：「送別会に出席しなくても費用を出すのかい？」

横田：「ええ、全員なんですって。したがって、どうせ出すんだったら行ったほうがいいわよ。」

平井：「つい最近旅行へ行った結果、今は持ち合わせ⁽⁵⁾がなくて…。それに、旅行中に病気になったあげく、ぼったくられたんだ。払えそうにないよ。」

横田：「じゃー、私が立て替えておきましょうか？」

平井：「え、悪いな、さすがに横田さん！お礼に途中で抜け出して二人で飲みに行こう！それで、抜け出すからには、またあの美味しいラーメン屋行こう！奢るよ！」

横田：「私も、前(まえ)に行って以来、またあの美味しいラーメン屋に行きたいと思っていました！！でも送別会が終わってからでないと…。最後まで居なくていいんですか？ばれたら大変ですよ！」

平井：「バレないよ、どうせみんな飲んでいるから。万が一ばれても、俺が守ってやるよ！それに先立って、もう予約もしておく！これがきっかけで、いつの間にか横田は俺に惚れて、俺たちは付き合うさ。俺たちは同僚はもとより、普通に今も友達(ともだち)だからな！」

横田：「はははっ！冗談を言う事にかけてはあなたが一番ね。果たして当日はどうなるかな。あ、でも、この送別会のお金はちゃんと⁽⁶⁾返してよ。」

※寿(ことぶき)退社(たいしゃ)→結婚(けっこん)を理由(りゆう)に退職(たいしょく)すること